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【大学受験】高校生の塾選びのポイントと通い始める時期や費用
更新日:2024/11/20 公開日:2020/07/27
高校に進学すると、多くの生徒が大学受験を意識するようになります。高校の授業だけで志望校に受かる実力をつけるのはなかなか難しく、塾に通うなどして補完することが大切です。とはいえ、塾にもさまざまな種類があるため、どこが良いのか迷っている人もいるのではないでしょうか。そこで、ここでは、高校からの入塾を検討している人のために、選び方のポイントや通い始めるのに適している時期などについて詳しく解説します。
1.塾に通う高校生の割合とは!
文部科学省の「平成30年度子供の学習費調査」によると、通塾している生徒の割合は以下のようになっています。
・公立高校に通う生徒:37.8%
・私立高校に通う生徒:38.2%
公立高校に通う生徒でも、3人に1人が塾に通っていることが読み取れます。これは、なかなか高い割合です。なお、この調査は卒業後に就職する予定の生徒も対象に含まれています。進学を希望する生徒に絞って集計すれば、通塾割合はさらに上がることが予想されます。
2.高校生が塾に通うメリット
高校生ともなると帰宅も遅くなりがちで、塾に通うのは大変そうとのイメージをもつ人もいるでしょう。しかし、通塾には大きなメリットがあります。ここでは、どのようなメリットがあるかを具体的に見ていきましょう。
2-1.確実に学習時間が確保できる
高校では、授業と併せて部活動にもはげむ人が多いでしょう。平日は放課後遅くまで部活動を行い、運動部や文化部のなかでも吹奏楽部などは、土日にも活動があることも珍しくありません。そのため、「帰宅後に勉強をしよう」と考えていても、遅くなったり疲れていたりでなかなか自宅学習の時間がとれなくなりがちです。一方、オンライン塾などを除き、基本的に塾は行く時間が決まっています。そこで、あらかじめ塾を予定に組み込んでおくことで、勉強時間が確保できます。これが塾に通うメリットの1つ目です。
毎週決まった曜日の決まった時間に塾で学ぶことで、勉強の習慣も身につきます。すると、高校の成績も自然と向上するでしょう。積み重ねた知識と勉強の習慣は、大学受験の時期にも大いに役立ちます。
2-2.モチベーションを保てる
学校がない日も勉強をするためには、なによりも学習に対するモチベーションを維持することが大切です。しかし、自宅はスマートフォンやゲーム機など遊びの誘惑が多く、疲れなどもあり、つい学習を後回しにしてしまう人もいるでしょう。自宅で勉強していて理解できない箇所がでてくると、学習意欲がそがれることもあるものです。一方、塾は自宅とは大きく学習環境が異なります。勉強をするための環境が整っているので集中して学びやすく、ともに学ぶたくさんの仲間もいることで良い刺激も受けられます。さらに、疑問点があれば先生に聞いてすぐに解消することも可能です。
同じ年代の生徒たちと競いあい励ましあうことで、勉強に対するモチベーションの維持にもつながります。勉強に対する意欲の増加は、学びの質や量の向上に結びつきます。
2-3.自分に合ったレベルの学習ができる
高校での授業は、個別の理解度や進度には対応していません。進むペースがはやくて内容についていけなかったり、反対にペースが遅かったり志望校のレベルに合わない内容を延々教えられたりすることもあります。一方、塾であれば、自分のレベルに合ったクラスやコースを選ぶことが可能です。得意でさらに伸ばしたい分野、苦手で困っている分野、志望校に絞った対策コースなど目的に特化した授業が選べることも多く、効率的に学べます。
3.通塾開始のタイミングは?
「いつから塾に通ったらよいのか」は多くの人が悩むところではないでしょうか。これは、公立高校か私立高校か、志望校はどこかなどによって個々人で異なります。とはいえ、おおよその傾向はあり、「高1から通い始めるパターン」と「高2の秋ごろから高3の春ごろにかけて通いはじめるパターン」が多いです。ただし、後者の場合は注意しておきたいことが1つあります。それは、同じ3年生といっても私立高校と公立高校では履修内容に大きな違いがある点です。多くの私立高校では、大学受験を想定したカリキュラムが用意されています。これは、2年生で大学受験に向けての学習をすべて終わらせ、3年生は1年間かけて受験に向けた学習に取り組むというものです。
一般的な公立高校では、大学受験に向けたカリキュラムなどは用意していません。そのため、公立高校の3年生と私立高校の3年生とでは学習状況が大きく異なるのです。また、大学は多数の浪人生も受験します。浪人生は高校生よりも多くの時間を勉強にあててきており、強力なライバルです。私立高校のスピーディな授業や浪人生の存在を考慮すると、現役での合格を確実にするためには高2の間に基礎固めをしておくことが必要です。そのため、塾に通うのも、早ければ早いほど望ましいといえます。
4.高校生の塾にかかる費用
塾に通うといくらくらいの費用がかかるのか、気になる人は多いでしょう。塾の費用は「個人経営か大手か」「個別指導か集団指導か」「通塾は週に何日か(1日か、数日か、毎日か)」などによって異なり、地域による差もあります。ここでは、文部科学省による「子供の学習費調査」に基づき、学年別に学習塾の年間費用の平均額を紹介しましょう。
・高1:公立高校8万674円/私立高校11万873円
・高2:公立高校10万7774円/私立高校17万9923円
・高3:公立高校17万790円/私立高校22万5035円
上記は年額です。月額に換算すると、公立高校に通う生徒で約10000円、私立高校の生徒で約1万4000円となります。
先にも述べたとおり、この調査では通塾していない生徒も対象です。塾に通っている高校生の割合がおよそ3人に1人であることを考慮し、数値に3をかけてみると実際に近い金額が推測できます。すると、以下のようになります。
・高1:公立高校約24万円/私立高校約33万円
・高2:公立高校約32万円/私立高校約54万円
・高3:公立高校約51万円/私立高校約68万円
学年が上がるほど、費用もアップしていることがわかります。物価の高い都市部であれば、さらに高くなるでしょう。また、塾は月謝のほかに入会費や教材費、講習会費などが追加で必要なこともよくあります。提示された費用に何が含まれているのか、入塾前によく確かめることが大切です。
5.塾の種類と特徴
塾には大きく分けて3種類あり、それぞれ特徴が異なります。メリットやデメリットをよく把握し、自分の性格や目的に合った塾を選ぶことが大切です。
5-1.個別塾
個別塾とは少人数制の塾のことで、先生1人に対し生徒1人、もしくは生徒2~3人で授業を行います。個別塾のメリットは生徒の理解度に合わせて授業を進められる点で、生徒それぞれのレベルや性格・志望校・受験方式に合わせてカリキュラムを組むことが可能です。仮に、3年生の生徒が1年生のころに学んだ単元を理解できていないことが判明したとしましょう。個別指導であれば、理解できていない単元までさかのぼって学び直せます。そのため、効率的な学習が可能です。
先生との距離が近くコミュニケーションがとりやすいため、信頼関係も生まれやすくなります。先生を信頼していれば、生徒も安心して指導に従って勉強に取り組めるものです。わからないことがあれば、すぐにその場で確認することもできます。このような特性から、生徒の成績が向上する可能性は高いです。デメリットとしては、個別塾は費用が高くなりがちな点が挙げられます。
先生に質問することの多い子どもや、一人でも意欲的に学習できる子どもには個別指導塾が向いていると言えるでしょう。
5-2.集団塾
集団塾は大手予備校などに多く採用されている形式で、先生1人に対して生徒が複数います。集団塾の大きなメリットは、仲間と競い合う関係ができ、互いに良い刺激を受け合える点です。「あの人には負けたくない」という思いがあれば、勉強により身が入ります。レベル分けされて実力の近い人同士がいるクラスであれば、なお良いでしょう。同じ高校に通う生徒以外とも、交友関係を構築できる点もメリットです。
デメリットとしては、高校の授業と同様、理解度に関係なく一定のカリキュラムに沿って授業が進む点が挙げられます。
クラス内に授業に集中できずにこそこそ遊んだり騒いだりするような生徒がいる可能性がある点や、授業中はもちろん、大勢の生徒がいるため個別の質問に対応しづらいといったことも集団塾のデメリットといえます。そのような生徒がいれば集中が乱されてしまい、学習の妨げ要因となってしまいます。
5-3.オンライン塾
増えつつあるのがインターネットを利用して遠隔で授業が受けられるオンライン塾です。パソコンやタブレット、スマートフォンなどの端末を使って、有名予備校や学習塾の授業の動画を見ることができます。指導力のある講師の授業を配信していることが多いため、質の高い学習ができる点が大きなメリットです。ライブではなく収録された授業を動画配信していることが多いため、好きなタイミングで一時停止できたり早送りや巻き戻しができたりする点もメリットといえます。よく理解できなかったところを繰り返し見たり、復習したいポイントだけ確認したりでき、効率的な学習が可能です。
時と場所を選ばず授業を受けられる点も、ほかの形式にはないメリットといえます。たとえば、「朝の通学時に電車待ちをしているホームで」「バスに乗っている間に」「帰宅後の自室で」など、いつでもどこでも授業の動画が見られます。塾にしては費用が安めな点もありがたいメリットです。
一方、デメリットとしては、常に先生からの一方通行の授業になる点が挙げられます。生徒側からコミュニケーションをとれず、先生からは生徒が理解しているかどうかを推し量ることができません。周りの目がないことから、集中力を長く保つのも難しいです。生徒はわからないことがあっても質問できず、互いに切磋琢磨できるような仲間が作れない点や、いつでも見られる点があだとなり「後で見よう」などとつい後回しになりがちな点もデメリットといえます。
集中力と理解力が高く、また自己管理を高いレベルで行えるような生徒さんには非常に向いている形式とも言えます。
6.高校生のための塾選びのポイント
大学受験を控える高校生にとっては、どの塾を選ぶかは非常に大切です。合わない塾に通っても、学力が伸びるどころか費用と時間を無駄にしてしまったということになりかねません。そうならないように、ポイントを押さえて塾選びをしましょう。
6-1.自分の【目的】に合った塾選びを
塾は、それぞれ目的が異なります。たとえば、難関校の受験対策をメインとする集団指導塾もあれば、1対1の個別指導で苦手を克服することを得意とする個別塾などさまざまです。目的によってカリキュラムや指導方法も異なるため、まずは「何を目的に塾に通うのか」を明確にしましょう。目的が分かれば、通うべき塾も見えてきます。
6-2.自分の【ペース】に合った塾選びを
人によって、しっくりくる授業のペースはさまざまです。個別にじっくり丁寧に教えてもらうほうが勉強がはかどるタイプもいれば、集団で学ぶほうが意欲が湧くタイプもいます。時間に縛られたくないタイプもいるでしょう。そこで、自分の性格や好むペースをよく考え、5段落で説明した「個別塾」「集団塾」「オンライン塾」のいずれに合うかを見極めることが大切です。ここで、それぞれどのようなタイプが合うかを紹介しましょう。
集団塾は、高校生の通う塾のタイプとしては比較的一般的です。レベル別に分けられることが多く、同程度の学力の人と一緒に学べるのでモチベーションを維持しやすい傾向があります。周りと競い合って意欲を高め、ハイペースで勉強したい人におすすめです。個別塾は、自分に合ったペース、カリキュラムで学べることが魅力です。わからないことがあればその場で聞いて理解してから次の項目に進むことができます。目標に向かって自分のペースで勉強したい人に適しているでしょう。オンライン塾は、時と場所を選ばずにできる点が強みです。強制力があまりないため、授業を見るのを怠けたりせず、自分をしっかり律することができる人に向いています。
6-3.授業以外のサポート体制も要チェック
塾のなかには、単に授業を行うだけでなく、個別に進路や学習上の悩みの相談にのるなどサポート体制が充実しているところもあります。このサポート体制が整っているかどうかも、塾選びの大切なポイントです。なぜなら、受験の時期は「今の学力で志望校に合格できるか」「志望校のランクを下げるべきではないか」など悩みは尽きず、何かと不安にもなりがちなものだからです。いつでも相談できる場所があれば、大きな安心となります。進路相談や学習相談によって不安が解消されれば、勉強に集中できるようになるでしょう。通う本人だけでなく、親も安心して塾に通わせられます。
7.高校生の塾選びは慎重に!
高校生活は短く、あっというまに大学受験の時期が訪れます。大切な時期だからこそ、塾選びは慎重に行わなければなりません。塾によって形式や目的、カリキュラム、費用などはさまざまに異なるため、個々に合ったところを選びましょう。入塾するまえに、実際の授業が無料体験できる塾もあります。気になるところをいくつも受け、そのなかから選ぶと良いでしょう。株式会社やる気スイッチグループでも、随時無料説明会を開催中です。
執筆者:スクールIE コラム編集部
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