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中学受験に挑む子どもの親の役割とは?すべきこと・すべきでないこと
更新日:2024/11/20 公開日:2020/08/05
子どもの将来のために、受験をして偏差値の高い中学校に行ってほしいと思っている親御さんもいるでしょう。しかし、受験をする子どものために親として何ができるのか悩んでしまいますよね。そこでこの記事では、受験に挑む子どものために親がすべきこと・すべきでないことを解説します。中学受験を予定する子どもをお持ちの親御さんは、ぜひ参考にしてみてください。
1.中学受験は親子で!親の役割
高校受験や大学受験とは違い、中学受験は親が関与・サポートしなければならない部分が多くなります。ここでは、親がすべきことを解説します。
1-1.スケジュール管理
まず、スケジュールの管理です。中学受験をする場合、多くの子どもが学習塾に通うでしょう。大手で有名な学習塾はしっかりとしたカリキュラムがあり、入試問題の出題傾向や対策などがしっかりしているので、塾に通わせれば一安心と思っている親御さんもいるかもしれません。しかし、ただ塾に通わせるだけではなかなか実力を身につけることは難しいでしょう。というのも、中学受験の場合、学校では教わることができず、塾に通わなければ理解できないような発展的な内容も出題されます。このため、中学受験を目的とする大手の進学塾のカリキュラムは、学校の授業とは比べ物にならないほど難しいのです。
そのうえ、塾で出される宿題は学校から出される宿題と比べて、かなりのボリュームがあります。子どもは毎日、学校が終わったあとに学校の宿題をこなし、塾がある日は塾に行き、さらにその後で塾の宿題もこなさなければなりません。塾が毎日ではないとしても、日々こなさなければならない宿題は学校のものと合わせるとかなりの量です。きちんとスケジュール管理ができなければ、宿題をやり残したまま学校や塾に行くということにもなりかねません。宿題は授業で教わった内容の理解度を深めるためのものなので、やり切ることができないと理解が深まらず、授業についていけなくなってしまう可能性もあります。
しかし、宿題をやり切ることができるようなスケジュール管理を小学生の子ども自身がするのは難しいかもしれません。そのようなときは、親御さんが子どもと一緒にきちんと宿題をやり切ることができるスケジュールを考えてあげることが大切です。
1-2.環境の整備
次に、環境の整備です。小学生の子どもは、集中力がある子もいますが、まだまだ散漫な子も多いもの。自分の部屋など、自分一人だけの空間は誘惑ばかりで、眠気に負けてしまったり、遊んでしまったりするかもしれません。机に向かう習慣が、なかなか身につかない場合もあります。そこでおすすめなのが、リビング学習です。一見気が散ってしまいそうですが、実は適度な音がある空間のほうが安心し、ストレスなく勉強できると言われています。リビングは子どもの部屋と比べて、家事などの適度な生活音が溢れているので、リラックスして勉強に取り組むことができるでしょう。
ただし、リビング学習をさせる場合は、あまり見張っているような印象を子どもに持たせないようにすることです。子どもは見張られていると感じると、逆にストレスを感じて勉強に集中しにくくなってしまいます。あくまでも親はそっと見守るようなスタンスで、自分から勉強をするような環境づくりの一環として、リビング学習ができる状態にすることが大切です。
また、同時に塾もしっかり選んで、受験の態勢を整えましょう。塾は子どもの気質に合ったところを選ぶようにし、あまりにも勉強漬けのところは避けたいところです。子どものやる気がそがれてしまっては意味がありません。自分の子どもがのびのびと、でもしっかり勉強できるような塾を選ぶとよいでしょう。
1-3.体調管理
体調管理も、親がすべき重要な役割のひとつです。9才~12才という年令の子どもが中学受験に取り組むのは非常に大きな負担です。先にも説明したように、中学受験をする子どもの毎日は、かなりハードと言えます。中学受験の進学塾は夜も遅く、10時ごろまでやっているところもあり、学校の後に通うだけでもなかなか大変です。
塾に行く前にある程度宿題をやっておくにしても、塾で出される宿題は本当に量が多いので、学校と塾の合間の短い時間だけでは終わらないこともあるでしょう。子どもは宿題をすべてやり切るために夜遅くまで夜更かししなければならないこともあります。学校が休みになる土日や夏休み・冬休みなどの長期休暇も塾では講習があり、普段溜まった疲れを癒す暇もないかもしれません。
しかし、成長期の子どもにとって睡眠不足や疲労の蓄積は、よくない影響を与えます。受験勉強は大切ですが、親が子どもの様子をきちんと見て夜遅くまでがんばりすぎないように声をかけたり、疲れが溜まっているようなら思い切って休ませたりするなど、適切なサポートを行ってあげることが大切です。
1-4.メンタル面のサポート
体調だけでなく、メンタル面も親がしっかりサポートしてあげましょう。通常の学校の授業の後にプラスαで塾での勉強を行うのですから、精神的にも疲労が溜まっているはずです。時にはねぎらいの声をかけてあげたり、がんばりをほめてあげたりすると、子どものやる気も違ってきますし、ストレスの発散になることもあります。
また、子どもが塾や勉強の話をしてきたら、積極的に聞いてあげましょう。子どもは話を聞いてもらうことで安心感を得て、塾での緊張感から解放されてリラックスすることができます。愚痴を言う場合もあるかもしれませんが、そのときもしっかり耳を傾けてあげるようにしてください。
2.親のストレス軽減も重要!
子どもに直接してあげることではありませんが、親自身のストレスを軽減することも、子どもの受験のサポートにもつながります。受験勉強に取り組む子どもの成績が思うように上がらなかったり、子どもの勉強に対するモチベーションが上がらなかったりして、イライラしてしまうこともあるでしょう。しかし、そのようなときに子どもをヒステリックに怒るようなことは避けたいものです。
うまく感情をコントロールして子どもに当たらないようにするためには、親子という距離が近い関係でも、自他の区別をしっかり付けることが大切です。まずは、夫婦の関係から自他の区別を付けられるようにしましょう。価値観が違うのは当たり前、考えが違っていても仕方がないと受け入れて、相手の考えも自分と同じくらい大切だと思うようにしてください。夫婦で自他の区別が付くようになれば、子どもとの関係でも自他の区別ができるようになるはずです。
中学受験に取り組んでいると、親も子どもを思うように伸ばしてあげることができないなど、毎週のように起こるトラブルで自分を責めてしまったり、不安やもどかしさを感じたりするかもしれません。こうした感情は怒りに変わりやすいので、子どもに向けて理不尽な攻撃をしてしまわないように気をつけましょう。
3.中学受験に向けて親がやってあげたいこと
ここからは、中学受験においてぜひ親が子どもにやってあげたいことを解説します。
3-1.褒めることでモチベーションを上げる
まずは、とにかく子どもを褒めてあげましょう。がんばりを認めてもらうことは、子どものモチベーションに大きく関わります。親は子どもにとって、自分のがんばりを一番近くで見てくれている存在ですから、ぜひたくさん褒めてあげましょう。ただし、成績が上がったり、テストでいい点が取れたりしたときにばかり褒めてしまうと、子どもはプレッシャーを感じてしまうかもしれません。もちろん、いい結果が出たときは褒めてあげることが大切ですが、合わせて勉強時間や勉強の内容、集中の度合いなども普段からチェックして褒めてあげましょう。
また、褒めるときはただ「がんばったね」「偉いね」などではなく「今日は○○の勉強をよくがんばったね」「前に間違えた問題ができるようになったね」などのように、具体的な内容を入れて褒めるようにしましょう。具体性のある褒め言葉は、子どもは親がきちんと自分のがんばりを見てくれている、応援してくれていると感じることができ、よりモチベーションアップにつながります。
3-2.声かけを増やす
子どもへの声かけも、ぜひこまめに取り組んでみてください。中学受験で大切なことは、勉強を習慣化することです。勉強を習慣化するためには、まずルール作りをしましょう。勉強をする時間と、その時間で何をやるのか、内容を決めてみてください。たとえば「学校から帰ったら漢字練習を30分やる」「夜9時からは1時間塾の宿題をやる」などです。親が勝手に決めるのではなく、子どもと相談しながらできそうなことから始めてみましょう。初めのうちは、定着するまでなかなかスムーズにいかないかもしれません。そのようなときも諦めず、きちんとルール通りにできるようになるまで声がけを続けましょう。
習慣化とは「するのが当たり前」の状態にすることです。やらないとなんだか後ろめたい、気持ちが悪いと思うくらいになるのが理想です。受験勉強を始めるときに、しっかりこの習慣を身につけることができれば、今後の勉強もスムーズに取り組むことができます。ぜひ、根気強く声掛けをして子どもの勉強を習慣化しましょう。
3-3.変化を見逃さないようにする
子どもの一番近くにいる親は、子どもの様子をしっかり見て、変化を見逃さないようにすることが大切です。テストの点数が上がらない、塾では低いクラスに落ちてしまったなど、うまくいかないときは当然子どもの気分も落ち込んでいます。そのようなときは、一緒に出かけたり遊んだり、ちょっとした気分転換のきっかけを作ってあげるとよいでしょう。子どもも息抜きができれば、またがんばろうと思えるようになるかもしれません。
また、塾の先生に相談して、解決策を一緒に探ってあげるのもよいでしょう。子どもは自分ばかりがんばっていると思ってしまいがちですが、親も子どもの受験に対してきちんと向き合って一生懸命努力していることが伝われば、子どもも一緒にまたがんばってくれるはずです。うまくいかないときは親も不安になるものですが、子どもを責めたりするようなことは逆効果ですので言わないようにしましょう。
4.親がやらない方がいいこと
ここからは、逆に親がやらないほうがいいことについて解説します。
4-1.「やらされている」感を植え付けること
勉強とは本来、子どもが自分自身のために行うものです。親から強制的に勉強をさせる事で子どもが勉強を主体的に行わない状態では、モチベーションもうまく上がりませんし、勉強する意義がわかりにくくなってしまいます。子ども自身が自分のために勉強するという意識を持てるよう、勉強をやらせる、という親の押し付けは控えるようにしましょう。
4-2.細かく指示したり小言を言ったりする
細かく指示したり、小言を言ったりすることも避けるようにしましょう。中学受験の勉強をする小学校高学年は、子どもがちょうど反抗期を迎える時期でもあります。反抗期の子どもには「集中しろ」「これではだめ」などの小言や、細かい指示をすると反発してしまう可能性があります。反抗期は、子どもが親から自立して自分で問題を解決したいと思うようになる時期です。頭ごなしに怒ったり小言を言ったりしても、あまりいい結果は現れません。いっしょに勉強方法を考えるように提案するなどして、さりげなくサポートしてあげるくらいがよいでしょう。
5.勉強そのものは塾に任せるのもひとつの方法
子どもの受験勉強について、親は何かと面倒を見たりサポートをしたりしてあげたくなるものですが、親は勉強を教えるプロではないので、勉強そのものは塾に任せてしまったほうがよいでしょう。もし、親世代と同じ問題があったとしても当時とは解法が変わっていたり、呼び方が変わっていたりすることがあります。受験勉強は、正しい学習方法で勉強することが重要です。親の昔の知識のまま勉強を教えたり、その教え方が塾と違っていたりすると、かえって子どもは混乱してしまいます。このように、親が勉強自体に介入するとマイナスな面もありますので、勉強そのものは塾に任せて親はスケジュールや声掛けなどで勉強をサポートしてあげましょう。
6.「個性」に合わせた個別指導を
中学受験において親がやるべきことは子どものコンディションのサポートがメインとなります。中学受験をする子どもをもつ親御さんのなかで、子どものために何かしてあげたいと思っている人も多いかと思いますが、勉強はプロに任せる方が子供のモチベーションや成績アップにもつながります。スクールIEは個別指導塾なので、一人ひとりに合わせた指導が可能なので、是非一度体験に来てみてはいかがでしょうか。
執筆者:スクールIE コラム編集部
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