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高校受験で過去問はいつからどれくらい解くべき?過去問の学習方法とは?

更新日:2024/11/20 公開日:2020/09/09

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中学3年生で高校受験をする場合、「過去問」は重要な勉強法となります。ただ、いきなり過去問を解き始めてもあまり効果がないことも少なくありません。しかるべきタイミングで過去問に取り組んで、入試対策をしましょう。この記事では、高校受験の過去問対策について、適切な時期や注意点、その目的などを解説していきます。

1.過去問を解く目的

勉強を効率的に行っていくには目的意識が大切です。過去問を解くのも例外ではありません。この段落では過去問の目的を解説していきます。

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1-1.傾向と対策を把握するため

高校入試には学校ごとに傾向があります。出題範囲が同じだとしても、頻繁に出る項目、文章問題の形式などに特徴が表れるのです。こうした傾向に無策のまま入試を受けても、なかなか点数は伸びません。受験予定の高校が過去にどのような問題を出してきたのかを把握すれば、対策を立てやすくなります。また、どの教科でどれくらいの点数を稼げばいいのか、作戦にも活かせるでしょう。

何よりも、過去問を知れば勉強の効率が上がります。過去問でまったく登場していない項目に力を注いでも、点数には結びつきません。逆に「高確率で出題される」と分っている項目があれば、直前にはその対策に時間を割けます。勉強の時間配分が的確になり、受験への不安が薄まっていくでしょう。

1-2.現時点での学力を知るため

力試しという意味でも過去問は大切です。実際に出た問題と向き合うことで、現時点での実力を把握できます。そのうえで、過去の合格ラインと照らし合わせれば、自分にどれくらい合格の可能性があるのかが分かるでしょう。もしも合格ラインに達していないようなら、まだまだ努力の必要があります。気合いを入れなおして勉強に取り組むきっかけとなります。

また、自分の苦手分野を知り、克服していくためにも過去問は有効です。できない問題、教科が減っていけば、点数を稼げるポイントは増えます。特に、高校受験は限られた時間の中で勉強をするので全範囲に同じだけの力を割けません。入試日が近づくほど、苦手分野を重点的に復習することが鍵となります。受験勉強を通してレベルアップするためにも、過去問は積極的に解きましょう。

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2.過去問を解き始めるタイミングとは?

高校受験の勉強で、最初に過去問を解き始めてしまう人もいるでしょう。ただ、高校受験で出題される範囲を押さえておかなければ、解けない問題が圧倒的に多いので正しく学力を確かめられません。手応えのないまま時間が過ぎていくので、非効率的な勉強法になってしまいます。そこで、一般的には中学3年生の範囲がほぼ終わった9月ごろから過去問に手を伸ばすようにします。逆をいえば、この時期だと過去問を見ても「習った範囲」が並んでいるはずであるため、それらは確実に正解していきましょう。

ただ、9月というのはあくまでも目安です。学校の授業スピードが速かったり、塾に通っていたりすると、もっと早く中学の範囲を終えることはありえます。そのときは、早めに過去問を解き始めてもかまいません。過去問を勉強に取り入れるタイミングは、個人差があるといえます。

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3.どういった学校の過去問を解くべきか?

大前提として、全ての志望校の過去問を買いそろえましょう。過去問は受験対策の中心になる教材です。志望校の傾向をつかむうえで欠かせません。本番で緊張しやすい人も、過去問で空気に慣れておけばリラックスして臨めます。たとえ受験校が多く、「ひとつくらい落としても大丈夫」と考えていても、本番では何が起こるか予想がつきません。合格率を少しでも高めるためには、過去問で万全の準備を整えましょう。志望校が少ないのであれば、なおのこと、併願校の過去問も隅々まで解いておくのが得策です。

志望校の過去問をあらかた解き終わったのなら、難易度や傾向の似ている問題を用意しましょう。範囲が似ていても、微妙に出題方法が異なる問題に触れるのは応用力の訓練になります。本番で予期せぬ問題と遭遇しても、焦らずに対応可能です。

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4.何年分の過去問を解くべきか?

高校ごとに、入試問題では重視しているポイントが異なります。こうした出題傾向を知るには、最低でも過去3年分は問題を解かなければなりません。また、問題文の言い回しや、選択肢の作り方などにも特徴があります。問題形式に慣れるのであれば、過去5年分を解いてみましょう。1度解いてから採点を行い、得意分野と苦手分野を確認します。

それから、繰り返し同じ問題を解くのも効果的です。2回目からは解答のペースをつかめるようになるので、本番の予行演習になるからです。1回目は問題の難易度も雰囲気も知らないので、時間配分を間違えてしまうことも少なくありません。最後まで問題を解けずに終わるパターンもありえます。しかし、2回目以降では時間配分を意識しながら問題を解けるので、脳に最適なペースをなじませることが可能です。

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5.過去問の解き方

解き方を工夫すれば、受験勉強の質は向上します。時間が限られた中で、学力を急速に伸ばすことも不可能ではありません。以下、過去問を解くうえでのポイントを挙げていきます。

5-1.教科ごとに目標を設定する

受験勉強における「目標」は人それぞれです。たとえば、全教科で高得点を目指す必要はありません。ある教科の点数が低かったとしても、他の教科で挽回すれば合格できるのが入試だからです。場合によっては、苦手教科に勉強時間をつぎこむより、得意教科を伸ばすほうが合格に近づくこともあります。教科ごとの目標点数は、自分の適性に合わせて設定するようにしましょう。

自分なりの目標を設けるメリットとして、「自信をつけられる」点が挙げられます。もしも世間一般の平均点を目標にしてしまうと、できなかったときに焦りが生まれます。「みんなできるのにどうして自分はできないのか」と落ち込む原因にもなり、モチベーションに支障をきたしかねません。しかし、個人的な目標であれば簡単に達成でき、自信となります。達成できなかったとしても、今後の課題として前向きに勉強へと活せるでしょう。

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5-2.当日と同じ状況を作って解く

過去問は予行演習でもあります。試験時間は本番と同じにして、たとえ全問解けなかったとしても採点に移りましょう。また、開始時間や時間割も同じにすれば、本番の空気感をつかめます。休憩時間も本番に合わせると、入試に必要なスタミナを鍛えるのにも役立ちます。何より、入試のリズムを覚えられるので、本番でのプレッシャーを抑えられるのです。

さらに、学力以外の弱点克服も可能です。人によっては、「朝早い時間は頭が働かない」などの課題を抱えているでしょう。「昼下がりは眠い」「立て続けに違う教科の試験を受ける体力がない」などの課題も、入試における壁となります。ただ、本番と同じ条件で繰り返し過去問を解けば、入試のペースに脳と体を合わせられるのです。

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6.過去問の復習方法

解き終わった後、すぐにもう一度取り組まなければ過去問の内容を忘れてしまいます。また、解答中に自分が何を考えていたのかも分からなくなり、復習の効率は下がってしまいます。過去問は量をこなすだけでなく、同じ範囲を何度も復習することが大切です。この段落では、復習方法を掘り下げていきます。

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6-1.解き直しをする

一度こなした問題を、別の方法論で解いていくのが「解き直し」です。主に、間違えた問題を克服する際の勉強法として取り入れられています。ただ、解き直しではすぐ解法を聞いてしまうと実力が伸びません。解説を読んで理解してから、自分の頭で考えることが重要です。もしも解説が分からなかった場合、人に質問しましょう。細部まで理解してから解きなおせば、自分に不足していた部分を把握できます。

その際、解説を読まずに質問するのは厳禁です。解説を自力で読むからこそ、欠点が見えてきます。質問をして教えてもらうときにも、相手の言葉を理解しやすくなります。ただ、どれほど丁寧に解説を読んだり質問をしたりしても、それだけでは理解度を確かめられません。最後にもう一度問題を解いてようやく、自分が本当に理解できていたかどうかが判明するのです。

6-2.問題を分析し本番の解き方を考える

解き直しの前には作戦を立てましょう。すなわち、どの部分を克服すれば点数が伸びるのか、理論的に考えていきます。入試を受ける際、全教科で高得点を取れる人ばかりではありません。だからこそ、確実に点数を稼げる部分を見極め、勉強に取り入れていくことが大事です。教科別の難易度や出題傾向をチェックしたうえで、志望校への対策を固めていきましょう。

「この教科に力を入れる」といった分析が完了したら、次は時間配分をシミュレートします。本番をできるだけ具体的にイメージし、緊張につながる要素を少しでも減らしていきましょう。ただ、どれだけ入念に計画しても本番では予想外の出来事が起こります。その年から出題傾向が大幅に変わる可能性もゼロではありません。まさかの事態にも冷静でいられるよう、時間配分には余裕を持たせておきます。

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7.中学3年生の時期別の勉強方法

時期ごとに勉強範囲を決め、受験対策を進めていくと本番に万全な体勢で挑めます。以下、中学3年生の受験勉強を時期別に解説していきます。

7-1.4~7月

この時期は、部活が続いている人も多く、なかなか受験勉強に集中できるわけではありません。そもそも高校受験に出てくる範囲も終わっていないので本格的な受験勉強は難しいでしょう。そうとはいえ、まったく勉強をしていないと後々のスケジュールが厳しくなっていきます。また、夏休み以降から受験勉強をしっかり行うのであれば、意識を変えていかなくてはなりません。短時間でもいいので、毎日机に向かう習慣をつけていきましょう。

また、学校の勉強も受験に影響します。学校によっては内申点が合否に影響するので、決して定期テストも手は抜けません。テスト勉強がそのまま受験勉強になることも多いので、内申点を落とさない程度に頑張ることが肝心です。

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7-2.夏休み

7月後半から、ほとんどの中学校では夏休みに突入します。この期間は、今まで習った範囲の復習に努めましょう。学力に不安がある人は1、2年生の範囲にまでさかのぼり、基礎からやり直していきます。高校受験では応用問題が多くなるので、そもそもの基礎が固まっていないと解くのは困難だからです。

夏休みが復習に適しているのは、授業がないので新しい単元が出てくるわけではないからです。学期中は予習も復習も行わなければならなかったところを、復習だけに集中できます。夏休みが明けると受験勉強が本格化するので、復習だけに取り組める機会は少なくなります。過去にやり残してきた部分を克服できる最後のチャンスとして、夏休みを有効活用しましょう。

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7-3.9~12月

2学期に突入すると、自分の学力に向き合っていかなくてはなりません。授業では高校受験の範囲がほぼ終わるので、現時点での正確な学力が明らかになっていきます。過去問や模擬試験で実力を計り、結果を素直に受け止めましょう。そのうえで、苦手分野を積極的に克服するため努力していきます。ただ、2学期以降も学校の定期テストは行われていきます。そのときは、受験勉強よりも定期テスト対策を優先させましょう。テストの点数が下がってしまうと内申点も落ちて、結局合格が遠のいてしまうからです。

なお、理想的なのは8月末までにこれまでの学習範囲を復習し、応用問題に取り組める準備をしておくことです。ただ、人によっては夏休みが明けても復習が終わらない場合もありえるでしょう。そのときは毎日の隙間を見つけて復習も並行して続けていきます。

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7-4.1月~本番まで

年が明ければ、もう入試まで時間がありません。実践的な方法に絞り、受験対策を行っていきます。過去問を解くのはもちろん、間違った部分の解説を読み、何度も解きなおしましょう。志望校の過去問をやり尽くしたのなら、同等レベルの学校の過去問も解いてみます。ただ、入試への追い込みが続く中、注意したいのが「体調管理」です。体調を崩してしまうと、本番で実力を発揮できません。うがいや手洗いなどを徹底します。また、夜更かしや徹夜をせず、規則正しい生活リズムを維持しましょう。

そして、早寝早起きの習慣を体に覚えさせます。入試は朝から昼にかけて行われるので、夜型の生活になっていると不利です。朝早く起きてすぐ勉強するようにしておけば、本番も落ち着いて挑めます。

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8.過去問を有効活用しよう

高校受験では過去問を解いたり、復習に使ったりすることが非常に重要です。過去問は本番のシミュレーションでもあるので、緊張を克服するためにも効果的です。何より、志望校の過去問をたくさん解けば傾向と対策が見えてきます。しかるべきタイミングで過去問を解き、自分の学力や欠点を把握しながら本番への準備を進めていきましょう。

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執筆者:スクールIE コラム編集部

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